Little AngelPretty devil
           〜ルイヒル年の差パラレル

    “これも一つの閑話休題?”
 


さて、世間様はGWに沸いている。
今年は真ん中の3日を有給で埋めれば、11日連続で休めるぞ、とか。
だったら思い切って欧州まで足を伸ばそう派が増えた、とか。
直前に円安模様になったのと、
鳥インフルの危険が囁かれてもいるので、
出掛けるなら国内旅行かな派が結構多いらしい、とか。
小旅行といや例年だと四季を通じて“鎌倉”押しだったが、
このGWは、
スカイツリーだの改装された東京駅だの、都心も見所はたくさんだぞ、とか。
同じ理由でロープウェイ駅が新装開店、ロマンスカーも新調相成った、
箱根もなかなかいいぞ、とか。

 「出掛けもせんくせに詳しいのな、もーりんさん。」

う〜るさいわねぇ。(くすん)
ちなみに関西方面だと、
大阪梅田の巨大モールがグランドオープン、
海遊館も新規展示が始まってますし、
神戸にはモザイク跡地にアンパンマンのテーマ館がオープンで、
皆様、どうか楽しんでいらっしゃってね…なのですが。

 「昨日までの、
  まずはの3日が 連続いい天気だったのも出来過ぎだよなぁ。」

妙に駆け足だった桜の季節に浮足立ってたのも何とか落ち着き、
萌え始めた新緑の、まだ柔らかい若みどりが目に優しい行楽地のあちこち。
上天気に恵まれたことから、人々の出足もなかなかだったそうで。

  そして、
  一応はウィークデイである 今日は、といや

いきなりの急転直下で、
朝から雨催いだったり少々肌寒かったりと、
お出掛けにはやや不向きなお天気が挟まったワケで。

 「まあ、どっちにしたって出掛ける予定は無かった訳だけど。」

いつもの週末よろしく、
インカレアメフトの常である交流戦をこなしたり、
他のチームの試合を見に行ったりで過ごした3日間だったもんなと。
半ズボンの先からちょこりと出ている、
それは瑞々しい小さなお膝にタブレット端末を開き。
その折に収集したデータを展開させての、
的確な整理をしておいでな鬼軍曹さん、
ちなみに小学四年生、だったりするのだが。

 「俺らはともかく、小学生はそうはいかん筈だぞ?」

ひじ掛けタイプの椅子に小さな身を埋めて、
これまた小さな指先を、あっちだこっちだタップだと忙しく動かしてる坊やへ。
リビングセットのお向かいから、
そちらさんは数人掛けのソファーに陣取り、
ちょいと“もの申す”っぽい低いお声を掛けたのは誰あらん。
こちら様も毎度お馴染み、
賊学大アメフト部、フリル・ド・リザードの主将、葉柱ルイさんであり。
義務教育の小学生が、平日モードの今日もまた、
葉柱さんチのリビングで、
チームのデータ整理を手掛けているのは、ちとおかしくないかと。
言葉づらには出さずともそんな含みを込めての訊いたというの、
そのっくらいは勘のいい坊やだ、気がつきそうなものだろに。
それでなくとも少々鋭角的な風貌のお顔、
やや鋭さを増しての胡散臭いものでも見るよな表情に顰めて、
じいっと見やって来られているというだけでも、
ついつい身動きが凍ってしまうほど恐ろしい…かと思いきや。

 「あ、ルイ。そこのディスクとって。」
 「おお、こっちか?」
 「うん、それvv」

“それ”と指差してた小さな手が、
あどけなくも パッと開いて伸びて来たのと同時、

 どーも ありがとーvv、と

そりゃあ無造作な天然さ満載、
甘い蜜とか零れんばかりの愛らしい笑顔で言われてしまうと。
いやそのなんだ、このくらい…と、
照れ隠しに視線を逸らしての頭を掻いてみたり…しかかってから。

 「あのな。//////」
 「今更 照れんな、こっちが恥ずかしい。」

こういう場合は、
こらこらと裏拳でどつく真似をするのが正当なノリツッコミだぞと。
タブレットの画面からちろりんと上げて見せた視線がまた、
微妙に甘えを暗示させるよな“上目遣い”だったりするものだから。

 「お前な〜〜。//////」
 「今のは何も企んでねぇってば。」

勝手に深読みしたくせにと、
今度こそは大人ぶったお顔で目許を眇めた子悪魔様。
大人をからかうんじゃねぇとか、口先三寸で翻弄するもんじゃねぇとか、
そういう方向でお怒りかと思っておれば、

 「〜〜〜。」

わざわざ立って来ての、
坊やが収まっていたお椅子の傍らまで
ローテーブルの縁を回って来た葉柱のお兄さん。
無言のまんま やって来ると、
お椅子の傍で やや中腰になって、
座っている坊やと目線を合わせてくださったもんだから、

 「…?」

怒鳴りはしないまでも、睨みつけて来るのかなと思ってたのにね。
それか、おでこをつんつんと指先でつっつくとか、
どっちにしたって、
小学生を相手に大人げねぇぞと、畳み掛けてやるつもりだったのに。

 「そういう顔とか態度とか、
  危ねぇから俺が居ねぇトコでするんじゃねぇ。」

 「う?」

あ、何か間抜けな声 出ちまったと。
それへと顔が赤らんで来かかったほど、
何と言いましょうか、
坊やには突拍子も無いことを言われてしまったもんで。

 「ばばばばば、馬鹿か。何 言ってんだ、ルイっ!//////」
 「心配されてる相手へ、馬鹿とはなんだ馬鹿とは。」
 「だからっ、真顔でそんなっ、////////」

ああもうっ、こんの斜めに真面目野郎がよと。
何からどう説明すればいいのやら、///////
いやいやその前に、何で俺真っ赤になってんだよ、おい。
そんなそんな、年頃の娘へ父親が時代遅れな説教かましたような、
何とも素っ頓狂な言いようされただけだのにな、と。
特に奇を衒わない方が、
葉柱のお兄さん、坊やに圧勝出来る相性なようでございます。




     〜Fine〜  13.04.30.


  *問題は、圧勝という自覚が葉柱さんにはないことだな。
   作為が無いからしょうがないよなぁ〜。(笑)
   GWに何やってんだかという一幕でございましたvv

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